今は誰もがパソコンに触れる時代。統計によれば、インターネットは日本人の2人に1人が利用しています。確かに数え切れないほど多くのパソコン教室もありますし、行政側もIT講習会などを催しています。もちろんそれらを積極的に活用し、理解を進めるのは大変良いことです。しかしその一方で、そういう所では「わからない」とおっしゃる方も沢山いらっしゃいます。なぜでしょうか?我々は行政側の方も含め、多くの方にその理由を伺いました。
伺ってみればもっともなことです。コンピューターは近年爆発的に普及したもの。やはり新しい用語やテクノロジーが目白押しになってしまいます。それについて行ける方は良いものの、ビギナーの方やシニアの方、また「機械はちょっと…」と思われる女性の方などには酷というものです。そこで自分以外の年齢性別がまちまちの方達と一緒に学習するとなれば、それは緊張感もひとしおでしょう。「周りに遠慮して質問ができない」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、そのお気持ちはよくわかります。
また、パソコンとは人によって使用状況が全て違います。使っているOSも異なれば、それこそ使用するアプリケーション(ソフト)は種類、メーカー、千差万別です。さらに接続する周辺機器も人によって異なるのです。教える側からすれば、共通な部分もあるのだから自分のパソコンに当てはめて考えれば大丈夫、と考えがちのようですが、総じてビギナーやシニアの方はそうは思えません。「見た目が異なれば全てが異なる」と感じるものなのです。我々はその点を看過してはならないと考えています。
そして難しい問題ですが、パソコンは最新のテクノロジーの産物であるがゆえに、どうしても技術に長けた方によって教えられることが多くなりがちです。しかし優れた技術を持つ方々、とりわけエンジニアの皆さんは、何より新しい技術を発見・開発したり、我々の生活が豊かになるようなテクノロジーの提供・発展に勤しむことを営為となさっている方々です。立派なエンジニアの方であれば、なおさらその研精に情熱を傾けていらっしゃるでしょう。そのような方々に、弁舌に長けてどんな人にもわかる説明ができることや、ビギナーの視点に立った考え方の実践を同時に求めるというのは難しいものです。彼らの本分に照合しても、やはり自らが追究するテクノロジーの研鑚に重きを置く方が理に適っていると言えるでしょう。一流の選手に、同時に一流の監督や一流のコーチであれと言うのは難があるのです。我々のお客様には、技術に長けた方にレクチャーを受けて「なぜわからないんだ」と怒られたという方もいます。確かにいかなる理由があるにせよ、教える側に立つ以上この発言は失格です。ここには人材的なミスマッチがあると言えるでしょう。また、サポートセンターも電話でのやり取りが主となりますので、ビギナーの方にはわかりづらくなってしまうのです。今まで述べたような様々な事情が「わからない」理由の背景にはあると考えられます。
このような状況を踏まえ、弊社では親切なパソコンサポートスタッフが、常にお客様の立場を理解し、真心を込めて丁寧な対応をするよう徹底しております。
次は デジタルデバイド?〜「知っている人」と「知らない人」 です
我々のスタッフにはSEやユーザーサポート経験者がいます。彼らの経験から業界の仕組みや特性を垣間見ることができ、そこから学ぶことも多々あります。
例えば、SEとは単に技術的な仕事をこなすだけでなく、クライアントへの技術的説明やサポートも行うのです。また大プロジェクトになれば、多くのSEやスタッフと共にチームワークに基づいて仕事をします。現在主流はアウトソーシングですから、他社のスタッフとも協働するわけです。すると・・・実はそこに求められるのは「コミュニケーションスキル」。決してマシンの前で仕事をしていれば良いというものではないのです。多くのSE会社がコミュニケーションスキル重視と訴えるのもうなづけます。
しかしエンジニア側から見れば、上述のような自らの本分に基づく志向もあるわけですから、ここにもまた難があるかもしれません。逆に難があればこそ、会社としてはコミュニケーションスキルに長けた人材を欲しがると言えるでしょう。とある派遣会社の経営者の方は「スキル8割でもいいから、しっかりコミュニケーションが取れる人が欲しい」とおっしゃいました。これからSEを目指す方は、テクニカルスキルに加えてコミュニケーションスキルにも同様に磨きをかけると、優れたSEへの道が開けると思います。