ジェロントロジー,老年学

ジェロントロジーとは「老年学」を意味します。高齢化社会への変化によって生じる様々な問題の解消を目的とする、医学や心理学などの自然科学と経済学や政治学などの社会科学を統合した学問で、アメリカで発展してきました。元来は医学・生理学の一部においてのみ研究されてきましたが、人間の加齢に関する各種の問題を総合的な視野に立って解決しようとするアプローチを取るようになりました。我々もこのジェロントロジーに基づいて各種サービスを提供しています。

例えば、シニアの皆さんにとって生活スタイルはとても大切です。アクティブシニアを目指すためにも、日常の生活状態に注意する必要があります。我々は独自のリサーチから、以下の6つのチェック項目を指定しております。

健康的でアクティブなシニアライフを送る上でのチェックポイント6項目

  1. 朝型の規則正しい生活リズムを心掛けている。
  2. 日常生活の中でTask(タスク:「やらなくてはいけないこと」)が必ずある。
    (強制力のないものや自由意志で行うものは含みません)
  3. 週に最低でも2〜3回は家族とは別の他人と会う機会がある。
  4. 週に2〜3回は適度な運動をしている。
  5. 何かを学習するなどの頭脳を使う習慣がある。
    (パソコンを扱う、新聞や本を読む等でも構いません)
  6. 良い趣味を持っている。

我々の調査では、行動的でいきいきとなさっているシニアの方は、これらのチェック項目で全て「はい」と答えている傾向が目立ちます。逆に言えば項目の答が「いいえ」となる場合は、老化へのリスクが高まることを示唆しています。また、女性の方が「はい」と答える比率が男性より高い傾向にあります。

1.は生活リズムの基本となる項目です。時間的余裕があるとはいえ、あまりに夜更かしをしたり、不規則な生活リズム(食生活等も含みます)になるのは身体的に良くありません。我々のデータでは、お仕事を引退なさった男性の方が、1.の項目に「いいえ」と答える比率が多くなっています。今までのお仕事からの開放感はわかりますが、あまりに生活リズムが乱れれば、日中に疲労がたまりやすくなるなど、健康面にも悪影響が出ます。また、夜更かしから日中に寝てしまうようになると、夜間深い睡眠をとることができなくなります。人間の体は夜寝ている間に自己修復機能が働き、傷んだ各組織を治したり、疲労を回復したりします。この機能が滞ることにもつながり、体にダメージが蓄積されてしまいます。肉体面の管理という点から4.の運動も大切です。ほどほどに汗をかく程度の運動を心掛けましょう。適度なエクササイズが新陳代謝の正常化を促し、健康を維持してくれます。夜もよく眠れるようになるでしょう。

2.も引退後の男性の方に「いいえ」が多く見受けられる項目です。お勤めをなさっているうちは、文字通りTaskに追われていたはずですが、それがなくなってしまうのが一番の原因です。もちろん今まで立派にお勤めを果たされてきたわけですから、しばらくお休みになるのは構いません。しかし、これが2〜3ヶ月になってくると、自己喪失感にさいなまれたり、刺激の乏しい生活から一気に老化が進んでしまうケースも多く、注意が必要です。何か「やらなくてはならないこと」を持つようにしましょう。この際大事なのは、会社の仕事のように強制力があることです。「やらなくてはならないが、今日でも明日でも良いもの」ではいけません。人間の生活リズムには慣性の法則が働きます。長期間休んでしまうと、どんなに真面目な方でも自らの意志だけでいきなり活動的なリズムにするのは困難になります。よってある程度強制力があるもの(第三者との約束や習い事の受講etc)を定期的に取り入れて行くことが望ましいと言えます。それによってメリハリのついた生活を心掛けるようにしてください。確かにこの世代の皆様は、今の日本の基趾を築いてこられた方々であり、仕事一筋という方も珍しくありません。それゆえ「仕事以外の何かやらなくてはならないことと言われても、見つからない」とおっしゃる方も多いものですし、そのお気持ちもよくわかります。欧米ではこれらの状況を見越して、リタイア後の生活に関するレクチャーを会社が催すケースもありますが、我々も退職後の生活についてのご相談には積極的に応じております。お気軽にお問い合わせください。

逆に女性は家事を始めとして、いくつになられても「やらなくてはならないこと」が日常に多く、この点のリスクファクターは比較的少ないという良い傾向があります。加えて洗濯や買い物等をほぼ毎日行うので運動量も多く、生活リズムも必然的に朝型になりやすいため、自然と良いライフスタイルを保たれているという優れた特徴もあります。また、3.の他者との出会いも女性の方が「はい」と答える比率が高くなっています。ご近所付き合い等、地域社会との接点も女性の方が多く、社交性やコミュニケーション能力に富む女性は、共通な趣味を持つお仲間がいらっしゃったり、各種コミュニティへの参加姿勢も積極的です。これはとても素晴らしいことです。実は人と会うということは、心身共に大変良い影響をもたらすからです。人に会うことで必然的に生まれる会話や思考は、脳にとって良い刺激となるものであり、アクティブなシニアライフを送る上でとても大切です。逆に人との接点が乏しければ、「うつ」な精神状態にも陥りやすくなるため注意が必要です。男性は会社での人間関係が中心で、リタイアしてしまうと他者との接点が少なくなる傾向もありますが、なるべく第三者との接点を持つように心掛けてください。お好きなスポーツや趣味のサークルに加入するのも良いですし、ご自身の経験が活かせる仕事をパートタイムでなさったり、ボランティア活動に参加するのも良い選択です。

6.の趣味を持つことは精神面において良い効果が期待できます。没頭できる何かがあるということは必ず人を活き活きとさせますし、孤独感や不安感といったシニアの方が時として感じてしまう心理も改善しやすくしてくれます。また、趣味が運動ならば4.で述べた肉体面への良い影響が望めますし、読書やパソコンならば後述する5.の頭脳の活性化に役立ちます。共通の趣味を持つコミュニティに参加すれば、3.の点から見ても良好と言えるでしょう。

シニアの方へのパソコンサポート5.は脳の老化を防ぐために必要なことです。人間の脳は、いくつになっても「使う」ことで活発な状態にしておくことができます。これも活き活きとしたシニアライフのために重要な条件です。ここで大切なのは、新しい知識や情報を常に取り入れるようにするということです。脳は慣れ親しんだ行為を行うのにはさほど活発に動きません。未知のものを吸収しようとすると前頭葉が活発に働き、脳機能がアクティブな状態になります。どんなにご高齢でも、色々なものに興味を持ち、新しい知識やスキルを身に付けようとされている方は行動的でお元気です。頭脳も活発な状態を保つように心掛けましょう。この点では、我々は上述の通り新しい情報の多さや利便性の高さから、主にパソコンの学習をお勧めしております。この世代の方は真面目な方が多く、その気になれば必ず習得できるものです。是非チャレンジしていただきたいと思っております。また、習得すれば実用性は高く、今までに述べた各種情報を入手したり、趣味への活用、他者との接点が生まれる(メールetc)など、シニアライフをとても有意義なものに変えてくれます。我々はこれにとどまらず、メンバーの皆様には様々なサポートを提供して参りたいと考えています。そして行動的なシニアの皆様の一助となれれば大変嬉しく思います。

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