異なるプロバイダー間でもIPフォン同士の通話料が安くなる Yahoo!BBとNTTフレッツ

Yahoo! BBのIPフォンであるBBフォンと、NTTコミュニケーションズが提供するフレッツADSLやBフレッツのIPフォン間の通話料が10月よりお安くなります(より詳しい情報は各プロバイダー様にお問い合わせください)。

IPフォン自体の通話料は固定電話より安く、さらに同一プロバイダー間での通話料は無料と大変魅力的ですが、今までは異なるプロバイダー間でのIPフォン通話料は3分10.4円〜10.8円の通話料が発生していました。

しかし、今年10月よりソフトバンクグループ率いるYahoo! BBのIPフォン網(シェア第1位:利用者数470万人)と、NTTコミュニケーションズが提供するIPフォン網(シェア第2位:利用者数210万人)が相互接続する運びになり、両社のIPフォン利用者同士の通話料が3分8円程度に値下げされることになりました。この2社で日本全国で使用されるIPフォン(約900万回線)の約7割を占めますので、ユーザーにとっては朗報です。今までは、異なるプロバイダー間ですとせっかくのIPフォンならではの安さが活かしきれませんでしたが、最大クラスのユーザーを抱える業界大手2社のサービス利用者であれば、IPフォンをさらにお安くご利用できるようになり、事実上IPフォン利用者のほとんどの方が恩恵を受けることができます。

そもそもIPフォンって何?どうして通話料が安いの?

IPフォンとは、簡単に言ってしまえばインターネット回線を利用した電話のことです。

通常の電話回線は中継する基地局をまたぐ度に料金が加算されます。ですから遠距離になればなるほど通話料は高額になるわけですね。一方、インターネットの回線は今や世界中に張り巡らされており、ご存知の通り、アメリカのホームページを見ても、日本のホームページを見ても、ユーザー宅からの距離に応じてページ閲覧料金が変わるということはありません。つまり、インターネット上でやり取りされるデータは、固定電話のように距離によって料金が加算されるということが基本的にないのです。

そこで、このインターネット回線を使って「会話の音声というデータ」をやりとりすれば料金をグッと下げることができるわけです。これがIPフォンの安さの理由です。

インターネットが今のようにメジャーになる以前は、ユーザーもナローバンド(ダイアルアップ・ISDNなど)が多かったので、音声データを快適にやり取りするには難がありましたが、現在はインターネット環境は充実し、回線品質も良好、Yahoo! BBフレッツ・ADSL、Bフレッツなど、ブロードバンド全盛で契約者数は2000万人を超え、料金は世界最安です。IPフォンの音声品質も今や固定電話と全く変わりがありません。さらにその圧倒的な通話料の安さから、企業や個人にもIPフォンは深く浸透し、固定電話に取って代わる勢いもあります。

メリットとデメリットは?

メリットはもちろんその圧倒的な通話料の安さです。特に遠距離通話が多い方には大変おすすめです(単身赴任のご主人がいらっしゃる、市外・県外など遠方のご親戚との通話、国際電話で海外との通話が多いetc)。また上記の通り同一プロバイダー間での通話料は何時間でも無料ですし、今回の改定で異なるプロバイダー間の通話料もお安くなりました。携帯電話やPHSとの通話もお得でFAX使用もOK。むしろ利用しないのは損と言えるでしょう。
デメリットは緊急電話(110番・119番)やフリーダイアル等に直接かけられない場合があることですが、この際は自動的に既存の固定電話回線を利用するように切り替わるので事実上の問題はありません。

また、外出が多く在宅時間が少ない、一人暮らしであまり自宅からは電話をしないなど、固定電話の利用頻度が低い場合は、固定電話を解約してIPフォンを自宅の電話とし、緊急の回線には携帯電話を使うというスタイルになさる方も増えてきました。固定電話を持たないならば月々の電話料金は相当お安くなります。またIPフォンは固定電話と異なり、開通の際に加入権は不要ですし、基本使用料も月数百円〜と大変お安くなっていますから、ライフスタイルに合わせて上手な活用ができるのもメリットです。

通話料(税別)
固定電話から固定電話へ 市外通話 例)市外20km内: 20円/3分
県外通話 例)東京-大阪間: 80円/3分
固定電話からIPフォンへ 10.4〜10.8円/3分
IPフォンから日本全国へ 約8円/3分
IPフォンから外国へ 例)アメリカ本土 約8円〜/3分
同一プロバイダーのIPフォン同士 無料
異なるプロバイダーのIPフォン同士
Yahoo! BBフレッツADSL等)
約8円/3分 今までは10.4〜10.8円/3分

どうやって利用するの?

基本的にはYahoo! BBフレッツADSL、Bフレッツなどの各種ブロードバンドインターネットサービスに加入すれば、IPフォンサービスもオプションとして使えるようになります。

Yahoo!側は日本最大の利用者数を誇る点がメリットです。またNTTフレッツは対応プロバイダが多いのが魅力です。お客様のニーズに応じて適切なプロバイダーをチョイスすれば良いでしょう。

将来的にはどのブロードバンドサービスがいい?

よくお客様よりご質問を頂きますが、これはもちろんBフレッツなどの光ファイバ回線でしょう。

100Mbpsという圧倒的な通信速度を誇り(ADSLの通信速度は最大で50Mbps程度)、回線品質は最良で、最も安定した通信が望めます。またADSLは既存の電話回線網(銅線)を使いますから、通信速度や安定性は光ファイバにかないません。そしてADSLなどは基地局より距離が遠のくにつれて通信品質が落ち、速度も低下します(伝送損失)。光ファイバは伝送損失が大変少ないので、遠方の方でも安定した、そして高速なインターネットを楽しむことができます。

また、これからはインターネットを使って映画などの動画コンテンツを配信する動きが加速します。動画の配信といった大容量データのスムーズなやり取りには高速、かつ安定した回線が必要で、このようなインターネットの活用には光ファイバの方が圧倒的に有利です。そして、国もまた光ファイバの活用を積極的に支援しています(山間の過疎地などでTV等の電波が届かない地域に光ファイバ網を敷設し、それを利用しTVや各種情報を配信するetc)。より高品質な回線を利用できるIPフォンも特徴的で、緊急電話(110番・119番)にダイアルできたり、通常の電話のように03や045といった市外局番が持てるものもあります。これからの主役は光ファイバに移って行くでしょう。事実ADSL、光ファイバ、CATV(ケーブルテレビインターネット)等ブロードバンド回線全体の契約数増加の勢いは落ち着いてきていますが(それだけ多くの方に広まったということです)、光ファイバのみ契約数は昨年の194%増と2倍に跳ね上がっています(2005年6月末の総務省統計)。

しかし、ADSLにも多くのメリットがあります。まず何より安価な利用料金です。月額3〜4千円で利用できるのは魅力的ですし、インターネットの利用はホームページを見たり、メールをすることがほとんどという方はYahoo! BBフレッツADSLなど、ADSL回線で十分でしょう。またユーザー数はADSLが約1400万人、光ファイバが約340万人、CATVが約300万人と(こちらも同2005年6月末の総務省統計)、利用者数でも圧倒的で、現状での主役はまだまだADSLです。そして上記の通り、Yahoo!とNTTとでIPフォンの利用者は全体の7割を占めますから、全国に利用者がおり、無料通話や格安の通話料での通話ができるユーザーが多いのもメリットです。

ただ、月額3千円程度から利用できる光ファイバインターネットが登場するなど、光ファイバインターネットの利用料も下がってきています。もちろんYahoo!BB光、NTTのBフレッツなどの光ファイバインターネットでも同社のADSLと同じIPフォンサービスが利用できますので、無料通話等の便利さはADSLのIPフォンと変わりません。回線の品質と将来性を重視し、大きなデータをダウンロード(あるいはアップロード)したり、ネットゲームをするインターネットのヘビーユーザーなら光ファイバ、メールやホームページ閲覧など、ごく一般的な使用法がメインならばADSLという選択肢が現状ではマッチングが良いところでしょう。

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